この本について
基本情報
タイトル 豊かさとは何か
著者 暉峻 淑子
出版社 岩波書店
発行日 1989.9.20
ページ数 246ページ
内容
モノとお金が溢れる日本。
一方で、さまざまな社会問題があり、国民にはゆとりも豊かさも実感がありません。
この本では著者が西ドイツの在住時に感じたことをもとに、豊かさとは何か?働き方をどうしていけばいいかを語ります。
キーワード
本を選ぶ上でのキーワード
- 豊かさ
- 日本
- 働く
読むうえでのキーワード
- 長時間労働
- 幸せ
- 富
- 自然
気になったポイント
- 今の日本は表面だけの豊かさ。余裕と思いやりの喪失。
- いつも周りにあわせて自己規制をしているのでは新しい考えや文化は生まれない
- 他国を知ることは自国を知ること
- 人間らしい生活をするには残業は月10時間が限度
- 残業から回復困難な疲労、常用される薬
- 8時間労働は1日を3等分したもの、人間が生存するのに必要な、働く時間、睡眠・食事など生理的に必要な時間、文化・社会的時間の3つの部分が人間にとって必需のものだという前提に立っている
- 住宅は人格の一部
- 富を貯めるとは各個人の蔵にモノをためることではなく、大地を豊穣に、自然を豊かに、自然の中に富を貯めること
- 持つことだけに表現できる豊かさではなく、持つことが、人間と人間とのかかわりを豊かにし、人間と自然のかかわりを豊かにできるような豊かさを真剣に考え実現しなければならない
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ぷちっと感想
この本は先日紹介した神保町ブックセンターで手に取った一冊でした。
この本の第1刷が発行されたのは1989年です。
そんな前から、今の日本で問題になっている長時間労働や真の豊かさについて議論していることに驚きでした。
逆にこの30年でまだまだこの考えは一般的になっていないことが悲しいです。
多くの社会問題をかかえる日本がこれから国際社会、地球で生き抜いていくために真剣に働き方や個人個人の人生を考えていかなければなりません。